

パッションフルーツ味にブラックペッパーが練り込まれたガムをもらった。
もらったものどうし、これは「肉にイチゴのソース」とか「酢豚のパイナップル」とか「こないだ雑誌でステーキにチョコレートのソースをつけた料理を見た」とか無理やりに我々のまだ知らない大人の味わいであると言うことにしようとしたけど、どうなんだろう。そうなんだろうか。あの、奇妙さ。
最近、サラダに林檎が入ってるのを許せるようになった。
昼間に、スーパーの玄関に林檎売りが来てた。
その前に床材のショウルームで、年末に張り替える床を選んだ。母親は、サーモンのテリーヌみたいな床を推してきたけどどうかと思う。わたしは、月面のような色と模様の床材を推しておいた。
夜は、農家の息子のやってるレストランで、見たこともない珍しい綺麗な野菜のローストと、ほとんど生の豚肉で、少しだけ炙ったものを食べた。安全だってお店の人は言ったけど、ゾクゾクしながら食べて、またそれが矢鱈と美味しいのが怖かった。
そのあとは寒い外を凍った道で滑りながら歩き続けて、もう会うこともない知り合いのうちの前を通り、窓を見上げると明るくて、「元気なんだなたぶん」とか言いながら鼻が凍ってもげるかと思った。
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