眠たくなるまで書くんだけど、絵を描いていたので目がさえてねむれない。

もう一週間前になるけど日高に行ってきた。襟裳岬と、友達がいる様似へ。もとユースホステルの旅館に泊まったら昔はものすごく人が集ったようなのだけれどいまは旅館のオーナーが一人でやっていて、みんなで歌うためのギターや模造紙に書いた歌詞カードもたくさん丸めてあって、必要以上に私はそれを見て悲しくなったりしていた。古いけどとても清潔だった。湯たんぽを入れてくれた。また行きたい。大漁旗をふって見送ってくれたときも切なかった。


夜のえりも岬の灯台を見に行ったらカーセックスをしている車の隣にとめそうになって、なかのひとと目があったりしていた、美しげな顔の私よりも5歳くらいは若く見える男性で、下にいた人の顔は見えなかった。ものすごく驚いていた。私もだ。まさかこんな夜のえりも岬に人が来るとは思わなかったんだろう。で、夜のビカビカ光る灯台を見て駐車場に戻ってきたら続きをやっていたので感心した。狐も現れたけれど、なにも狐の好きそうなものを持っていなかった。動物は、チョコとか不用意にやると死んだりするそうだから注意が必要って言うか野生動物にたべものをやるのは良くない。

で、翌日、海辺で得体の知れないなまこ様のおはぎのような生き物の脊椎骨だという桃色のチョウチョのかたちをしたものを拾ったり、襟裳岬にある何とか館で風速25メートルの強風が人工的に出る部屋に入って異常なはしゃぎ方をして気味悪がられたり、例のなまこ様のおはぎ生物が飼育されてるのを見たりアザラシを観測したりしたのちに様似の友達のうちに行き、熱を出して寝ているその夫と泣き盛りの乳飲み子をおいて、隣町のおいしいパン屋さんへ案内してくれることになった。

とちゅう、シェイクがおいしいという様似唯一のハンバーガーショップに行きシェイクと、異常におなかが減っていたので頼んだバーガーを食べたら、肉のパテが肉でなくツナでできており、ハワイアンバーガーを頼んだ二人のそれはパイナップルがツナの生臭さを引き立ててあんまりおいしくないらしく、私と様似の人妻の頼んだそれは、こってり芋サラダが挟まっていて異常にへヴィーでもちろんツナパテでいまいちだった。

で、つぎに壊れかけたような斜めの階段のついた急斜面のがけをゼエゼエ言いながら登って美しい岬から街を見下ろしたり、蛸の卵の入ったかまぼこだという怪しいものを買ったりしながら隣町についたが、うわさのパン屋は休みでなぞの激安店に案内されて、そこでわたしともうひとりのいがらしさんがアイドルマスターのフロイラインリボルテックという可動関節フィギュアを99円で2体~3体購入し、私はサンキストのカナダ製ビタミン剤199円と、もう一人の清水さんがなぜか植物の栽培用高保水性ポリマーを19円を3袋買っていた。あの激安点はなぞだがとても面白かった。

様似の人妻をうちまで送りがてら白鳥のいる川に案内してもらい、そこでさっきのたべのこしのバーガーのパンを白鳥に与えたりして、どんよりしていた天気も良くなってきて満足しながら車を走らせていたら、畑仕事をしている老婆を発見した。その老婆はわたしたちに背を向けて田植えのような格好で作業をしていた。尻を丸出しにして。その日は、日高のその地方には珍しく風は強くなかったが、ものすごく寒くてわたしなどは一日中スノボの服を着ていたのに、その老婆はもんぺが下がって尻が出ていることに気づかないようだった。で、車内が大騒ぎになったのだがそれを見ていない人が見た人の証言を幻覚呼ばわりしたのでＵターンして見に戻ったがもう老婆はわたしたちに背を向けてはいなくて、確認はできなかった。


そんなこんなで、すっかり旅のハイライトは老婆の尻になってしまったわけだけれど、わたしはときどき恐ろしいほどの心の狭さを発揮して、しばしば殺気立って自分を病気なのか？と疑ったりもしたけれど翌日生理になったので、さらに申し訳無いきもちになった。必要以上にユースホステルで感傷的になったり殺気立ったり（すぐ疲れたのは毎日寝てばかりで筋肉がなえて太ったのだと思ったけど）まったく申し訳なかった。

という話を帰ってきて会った元同僚に話したら、カーセックスの話しか耳に入らないようだった。あと尻。やっぱりな！