乳首の色をピンクにするという美容液があるけれどあれはまったく効果が無いって言ってた。
夏のカバンが欲しい。いつも籠バッグを買ってひと夏で潰すから無い。
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私はいつもどおり寝たり起きたり洗濯をしたりパンをこねたり仕事に行ったり友達に会ったり誕生日を祝ってもらったりご飯を作ったり誰かを祝ったり最近はそんなに誰かを呪ったりもしないけど悪態をついたり喜んだりもしていてこういうことは誰かがこれを読む前提に書くべきじゃないように思うしそしてわかりきったことだけどミケッチはいなくて携帯電話の中に何枚か写真が入っていてそこにいるみたいだし死んだことを忘れそうになるから私が、ミケッチを焼きに行けばよかった。
死んで４０日とか７０日とかそのあたりに漂ってるって誰かが言ってたけど、そのせいなのか、それとも死んだってことを素直に受け入れられるのがそのくらいの期間なのかもしれないけど。
四六時中悲しいわけではなくて、ただ時々猫違いをしたりうっかり名前を呼んでしまったときに悲しくなるだけなんだけども。悲しいというよりも乾いていて「ああ、詰まらない」と思う。
ミケッチはさいきんはベロニカに借りたホームベーカリーの上に座るのが好きだったんだけどもそれで昨日もパンをこねた。不味くなってしまった飲み残しのワインのアルコールを飛ばして仕込み水として加えたら生地がきれいな薄紫色になったけど味は香りや酸味があるとかそういうわけでなく、妙にチーズに合うとか妙にトマトの煮込みに合うとかそんな感じでなんとなく普通の生地のパンとの違いが判るものだった。
ミケッチは１９日の朝に死んで、その日の夜は合コンで、無理やり行ったけどもっとコンディションが良いときに行ってたらなんとかなったようなならなかったような。誰もなんともならなかったんだけど。相手は休日にゴルフなんかする人たちだった。
合コンに向かう電車の中で、向かいに座った大学生くらいの男の子二人組みの片方が、四角い蓋付きのガラス瓶をできるだけ水平に保つように大事に抱えており、中にはちいさなミドリフグがそれぞれ一匹ずつ入っていて、引っ越すという友達から貰ったばかりでさっそく「クソ」と「ミソ」という名前をつけたようだった。携帯電話で飼い方を調べていたけど、私も昔飼いたくて調べたけれどあれはたしか川の河口に住む汽水魚だからちょっと難しそうで止したんだけども、「上手に飼って貰えると良いですね」とクソとミソに対して思っていたらわたしの隣に座っていたおじさん二人がクソとミソをすっかりおたまじゃくしだと思って会話をしていた。
あと、今の職場は９月で契約が切れるはずだったんだけど半年残ってくれないかって言われた。こないだ休み時間に休憩室で、誰もいないのをいいことに悪魔のカードというタロットカードの変改版で異常に不吉な絵札のものがあってそれでもって職についての未来を占ってたら途中で同僚が来ちゃってものすごく嫌な顔をされたんだけど結果は、「来年の三月には別の職場にいてそこそこ忙しく、わりと淫らで幸せで、今より５~６キロ程度痩せている」と言う悪魔のカードとしては幸せな結果が出たんだけどもあれはどうなったんだろうか。本当にそうだったらいいのにって思ったんだけどな。
黒いウサギの写真は、誕生日のお祝いに貰ったショットグラス。可愛いけどまだ何も飲んでいない。ウサギだから草の入ったズブロッカを入れて飲みたい。ウィスキーを飲むグラスのようだけどウィスキーは、なぜだか合わないみたいでウィスキーのカクテルを飲むとげろを吐く。しかしそれがミントジュレップなのかエメラルドクーラーなのかわからない。スースーしたくてどちらでも良くてどちらかを選ぶのだけどそのときウィスキーを飲むと出るげろのことが頭をよぎって少しドキドキする。
ミケッチは死んだけど
