カポーティを観た。冷血のことだった。
カポーティが、殺人事件の取材のためにその犯人で死刑囚のペリーを利
用したのか本当に彼を好きだったのか混乱したままさいごには本の完成
のために彼の死刑執行を願い、それは叶うというえぐい内容だった。
そしてその落ちは完成しなかった彼の小説の叶えられた祈りに添えられた
ことばで、叶えられない祈りよりも叶えられた祈りの方が悲しいという
意味のもっときれいな一文だった。
読んでる伝記では、死刑囚の刑の直前の面会時間にカポーティは現
われなかったと書いてあるけれど、映画では短い時間だけど会いに来
ていて良かったと思うけど本当はどうだったのかよくわからない。
地味でセーブされた映画だったけど、ペリーの理解しがたい
やりきれない殺人動機がほんの一瞬でわかるというか理解できるように
なっておりそこはもうとても良かった。でもそれもカポーティの意図無くそん
なわけは無いので本当のことはどうなのかわからないけど。でも人殺しの
気持ちにそれがほんの何十分の一か(じゅうぶん劇物だ)でも同調しちゃ
うことなんてこれまでになかったように思う。しびれた。
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