今見たらナディアの性格がすごすぎて驚いた。
ものすごくめんどくさい性格をしているのだけど、それにはいろんな不遇があったからで
でもそれはとくに掘り下げられることはなくわがままでめんどうな、非ベジタリアンを糾弾する
いやなベジタリアンで、視野の狭い、自分の不幸で頭がいっぱいの、感情の起伏が大き
すぎて友達を振り回す。周囲を思いやることのない孤独な女の子だ。
でもこどものとき、リアルタイムで見たナディアのことをそんな風には少しも思わなかった。
けがをした敵を撃ち殺して身を守ることや、動物を殺して食べることだとか。
激しい違和感をナディアは隠したりしないし、詰めが甘い理論で人を糾弾するけど筋が通って
いないわけでもないし正しいと言えば正しい。
ナディア自体はとても身体能力の高いサーカスの猛獣使いでブランコ乗りだけど、とくにそれは
物語上生きることもなく、無力で、助けられるばかりの子供でしかも猛獣のような心の思春期の
女の子なのだった。
さっきもいったけどその内面は、触れられることがなくて、ただのいかれた女の子みたいになってて、
ヒロインとしてものすごく素敵な褐色の肌とかきれいな青い目だとか赤い服だとかアニメ映えするか
わいい外見をもちながらあんまりうまいこといっていないのだった。
救いは父親に愛されたことを知ったことと、いつもともにいてくれる友達であり恋人となる男の子が
いたことで、境遇と荒れ狂う内面はエヴァンゲリオンのアスカとシンジを足しちゃったような暗さ
なのだけども、元気に生きていくような最終回であった。
そして、シンジって女の子だったら案外ゲンドウとうまくいってたんじゃないかなあって思った。
そして全く記憶のなかった裏ヒロインのエレクトラだけれども、ヒロインとしてしっくりいってるのは
こっちのほうで、内面も、タイトに掘り下げられた良ヒロインなのだった。
特にネタばれをするつもりもないのであれなのだけども、この二人のヒロインを見て、また、エヴァン
ゲリオンを見て、庵野監督の「不機嫌な内面の女性を掘り下げて描写しちゃう癖」みたいなものを感
じた。これは、全然とらえることのできないひともいるし、男性なのに理想化することもなく驚くほどう
まくとらえちゃってしかも目が離せないのかずんずん掘り下げちゃうほうの人もいて驚かされる。まえ
に札幌のイベントで買った百合中学生同人誌を描いていたsucha(?スペルがあってるのかわから
ない)さんも若い男性なのによくこういう感覚がつかめるものだなあ・・・と驚いたこともあったけどそれ
に似てた。お姉ちゃんが、いるのかな?
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