モントンのケーキの粉セットがあったので作ってみたのだけど
一晩置くとしっとりしたけれどできたてはパッサパサであった。
本当はスポンジのすみは切るのだろうけれどそんな事をしたら
全体がボロボロになりそうなもろさで、いかんともしがたかった。
予備校大学で一緒だった友達(美しく繊細な絵を描く男)は
ケーキ作りも料理もやたらとうまかったことを思い出し、
何かあれば焼いてきてくれた彼のケーキの繊細な味を思い出し、
あらためて彼のケーキテクを実感した。
私のケーキはわたしが絵に描いた適当なケーキそのものであった。
前に樹脂粘土で作ったロップイヤーのウサギも、あまりにまんがの
絵に描くウサギそのものでちょっとびっくりしたのだけれど、一緒に
樹脂粘土で遊んだ友達も彼女がよく描いてる奇妙な猫をそのまま
作っていたので「ああそんなものか」と納得したことがあったけど…
ケーキもなのか。
ケーキと言えばケーキの彼とは別に大学のときにときどきブランデ
ーケーキを焼いてくれた友達は、夜中にケーキを作り始め、夜が明
けるまでに全部食べちゃうという頭のおかしいことを繰り返していた。
その周期は満月と新月に関係があったような無かったような…。
彼女が連絡をくれたのは去年雪が降り始めた頃に函館名物
イカ羊羹の写メールを本文無しで送ってきたのが最後か。
元気みたいでなによりだ。
「今日のブランデーケーキは一段とおいしいねえ」と言ったら
「棚の上のほうにしまってあったお父さんのやつを使ったからね…」
と言って笑っていた、5年位前。
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